色彩ポーカー

色彩ポーカー
基本ルールは通常のポーカーと同じであるが、色彩カードを使って行う点が違う。トランプのように数字といった明確なものではなく、色彩は曖昧である。このあたりからポーカーより、一層想像力と表現力が試されるゲームである。

今回のトーナメントは、ジョージとセバスチャン、泰源、渚、そして俺でファイナルゲームが行われた。
しかし、天は俺を見放した。
カードに鬼門のカーキ色が。
これはないな、全ての色とハーモニーを奏でることが出来ない。
カードを切る。
ポーカーフェイスの渚が、俺にウインクをしてポットにチップを出し、ディラーにもういいか？という顔をした
「苔寺西方寺フラッシュ」
それは、今まで華やかな色で役を演出してた色彩ポーカーの概念を覆す、侘び寂びの精神を表現した手札だった。
観客もこの初めて見た手札の今までにない美しさに歓声を上げ、歴史的出来事を目の当たりにしたこの瞬間に酔いしれた。