ふくらはぎ公園

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急に秋めいてきたことも手伝ったのか、ふくらはぎ公園はいつにない賑わいをみせていた。そのアナウンスが流れるまでは…。

「こちら公園管理課です。お楽しみのところ申し訳ありませんが、マッサージの予約が入った模様です。刺激を感じましたら、公園からの退出をお願い申し上げます」

せっかく話が浮腫んできたところだったのに、と血液やリンパ液たちがひそひそと不満を漏らすなか、古株の乳酸だけは管理センターに詰め寄った。

「マッサージなんかじゃ、抜けねえ疲れってのもあるもんだぜ」

「お察ししますが、マッサージの後は恐ろしい揉み返しがやってきますし、揉まれるのをただ待っても、消されるだけですよ」

気まずい沈黙に、「ただ…」と職員は続けた。

「じつは来週、草野球が入っています。おそらく、またあなた方の出番です」

乳酸が顔を上げると、職員は悪戯っぽく微笑んだ。

「いつものベンチ、空けておきます」
ファンタジー
公開:18/10/20 23:38

糸太

400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。

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