男の人はきらい

「男の人はきらい」

彼女はずっとそう思っていた。学生時代「少し距離を置きたいんだ」と言って連絡がなくなった彼。

「君を愛してる、大好きなんだ」と言いながら、奥さんと子どもの元に帰っていった上司。

極めつけは、その後つきあった束縛のひどいDV男。愛情表現はすごいけれど、浮気はするわ、酒グセは悪いわさんざんだった。

「男選びがヘタすぎるのよね」
友人にそう言われたこともあった。

いま彼女がつきあっているのは、友人との食事会で出会った男だ。

初めて話したとき、彼のことは男性として意識していなかった。

それが功を奏したのだ。男性不信になっていた彼女の心に、雪解けがおとずれた。

男は誠実でやさしく、連絡もマメだった。

3回目のデートの後、彼女たちは結ばれた。

彼女いわく
「男の人はきらい。でもあなたのことは好きよ。今まで会った誰よりも、私を大事にしてくれるもの」