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今日も税務署員は税を徴収するために走り回る。
彼らは忙しい。国があらゆるものに税を掛けまくった挙げ句、ついに課税するものがなくなり、とうとう「無」に対してまで税金を掛けるようになったせいだ。
税務署員は毎日のように国のあちらこちらを巡り、見つけた「無」に対して徴税する。黙っている者には「無言だから」と、人を傷つける言葉を吐く者には「無神経だから」と、仕事のできない者には「無能だから」と、次々に税金を奪っていく。
「無」はいくらでも存在する。税務署員は休む間がない。疲れてぼーっとしてしまうと「無心だから」と自らにも税を課す。そして疲れ果て、とうとう地の果てで倒れ伏し、息絶える。
すると別の税務署員がやってきて遺体に税を掛ける。「無縁仏」にも容赦はされないのだった。
ホラー
公開:18/02/09 13:48

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